放熱量計算について - 熱 温度 技術計算 エクセル受託解析 - FutureEngineer

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Q) アルマイト処理したヒートシンクの方が熱抵抗が低いのはなぜ?

A) 表面よりふく射熱伝達により放熱するからです

 押出成形によるアルミ材質ヒートシンクのままですと、表面が反射して、表面からのふく射率がゼロに近くなります。つまりせっかく半導体からの熱を高熱伝導率のアルミを使って導いてきて、ヒートシンク表面温度を高めてもふく射熱伝達量を稼ぐことができません。(対流熱伝達は稼げます)

 一方表面にアルマイト処理を施すと、0.8~0.9までに高まります。よってふく射熱伝達率による熱抵抗の分母の値が大きくなり、熱抵抗全体としては低くなります。

対流熱伝達による熱抵抗と、ふく射熱伝達による熱抵抗の数式はこちらを参考

Q) 配管に2種類の断熱材を巻く場合どう配置すると効率が良い?

A) 内側に断熱性能が高い(熱伝導率が低い)材質を巻く方が効果的です

内径100(mm)の配管に厚み10(mm)の断熱材を巻いた結果です

dannnetsu_haichi.jpg

 互いに10倍の熱伝導率の差がある断熱材を比べています。
 水流の流速は0.3(m3/hr)です。

Q) 熱伝達率を使って装置ユニットからの放熱量を求めるには?

A) 装置ユニット形状に合う自然対流熱伝達率を計算します。

自然対流熱伝達率とは

 固体壁温度と周囲気体、液体に温度差がある時に、浮力によって流れが生じ固体壁と熱交換する現象。
こちらに定義式があります。→自然対流熱伝達率の定義
こちらに主要な自然対流熱伝達率概算値があります。→自然対流熱伝達率の値

熱伝達率から放熱量を求めるためには

 計算によって求まった熱伝達率を使って、ニュートンの冷却則に代入します。
それから物体表面からの放熱量が求まります。
こちらに定義式があります。→ニュートン冷却則

Q) 排気ダクト内を流れる流体から外部への放熱量は?

A) ダクト微小長さにおける熱通過率の概念で計算できます。

熱通過率とは

 固体壁を介して流体が熱交換する時の量を見積る場合に有用な式です。
こちらに定義式があります。→熱通過率の定義

排気ダクト内側から外側への放熱を考慮した出口温度

duct_outT.jpg
記号の意味

T:温度(℃)
L:ダクト長さ(m)
A:ダクト内部流体質量流量、ダクト内部流体比熱、熱伝達率、ダクト径
から計算される負数

放熱量は、ダクトの出入口温度が分かれば求まります

 放熱量は、
内部流体質量流量×比熱×出入口温度差
によって計算できます。

Q) タンクから放熱する熱量と冷却に必要な水量を計算するには?

A) タンク側面の熱通過率と、タンク内の冷却コイル外側熱伝達率を求めます

タンク側面の熱通過率は

 側面外側の表面熱伝達率と、タンク壁面材質に起因する熱伝導率、
側面内側の熱伝達率から求める事が出来ます。

冷却コイル外側熱伝達率は

 攪拌機が付いている場合と、付いていない場合で値は異なりますが、
各種実験式があり、推測可能です。

タンクからの放熱量に釣り合う冷却水量を計算します

 冷却水が奪う熱量は、
冷却水質量流量×比熱×出入口温度差
によって計算できます。

Q) 熱貫流率と熱伝達率は同じ意味?

A) 単位 (W/m2 K)が同じでも意味、用途が異なります。

熱貫流率は

主に住宅などの壁面断熱性能を表現するために使用する値でK値と言います。
つまり、単位厚み当たりの熱伝導率を言います。
具体的な定義式は、熱貫流率についてのページで説明しています。

建築物の空気調和計算や暖房負荷の計算に必須の知識です。

熱伝達率は

固体表面から周囲流体への放熱量を見積るための工学係数です。
固体表面と、流体との温度差が1(℃)で1(m2)の放熱面から1(秒)間に放熱する量が1(J)の時に1(W/m2 K)の熱伝達率といいます。(「熱伝達係数」、「境膜伝熱係数」は同義)
具体的な定義式は、熱伝達率についてのページで説明しています。

放熱量の見積りや、建物の外壁、内壁表面の熱交換量計算に必須の知識です。

Q) 放熱の計算に、Nu数(ヌセルト数)、熱伝達率どちらで評価すべき?

A) 熱伝達率で評価すべきです

熱伝達率の計算式は

「Nu数×流体の熱伝導率/その流れ場の代表長さ」
で表されます。

熱伝達率、Nu数の定義はこちら

一方Nu数の定義としては、

「固体表面を流れる、流体の移動による熱交換量と、
流体の物質内を熱伝導で移動する熱交換量の比」

と言えます。

物体表面から、流体によって放熱する量を計算する場合は、、

専門書に様々な場合のNu数が掲載されていますので、
実務上は、計算しようとしている放熱計算対象に適当なNu数を調べて計算する事になります。

その後、定義式から熱伝達率を求めて、ニュートンの冷却則によって、放熱量が求まります。

ニュートンの冷却則の定義はこちら

Q) ビニールハウスへ埋設温水配管を敷設した場合の放熱量は?

A) 熱伝導の形状係数を用いて以下のように計算できます

温水パイプからハウスへの放熱量 14.5(KW)

使用した条件

配管長さ 50(m)
配管埋設深さ 500(mm)
配管並列埋設数 5(本)
配管ピッチ 3(m)
配管外径 50(mm)
配管表面温度 70(℃)
ハウス内地表温度 20(℃)

計算方法

配管からハウス地表への放熱量は、
地面の熱伝導率、
地面と配管の温度差
配管本数
配管と地面の位置関係から計算される形状係数
を掛け合わせる事によって求まります。

Q) 温度を一定に保つための熱量を計算するには?

A) 外側に放熱する熱量を計算する必要があります

温度が一定、つまり製品全体の温度が時間的に変化しない定常状態の時は
発生熱量=放熱量というように、等式が成り立ちます。

つまり、この時の放熱量を計算すれば、必要は熱量を計算できます。
放熱量は外側から空気や、水なので冷却する場合は、強制対流熱伝達率を、
水槽内や室内、屋外の雰囲気に放置する場合は、自然対流熱伝達率を求めてから、
ニュートンの冷却則を使い求めます。


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